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有機化学の話
有機化学のトピックを紹介しています。
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宇宙エレベータ

今回はなんともSFの世界のような話題です。
長さ約10万キロのケーブルをよじ登って、ロケットを使わず、
そのまま宇宙へと飛び出す「宇宙エレベーター」の研究団体が日本で結成されたらしいです。

最近まではSFの世界の夢の話でおわってたようなことが、
ナノテク新素材の開発によって実現の可能性が見えてきました。


 宇宙エレベーターとは、赤道の上空、高度約3万6千キロに浮かぶ静止衛星から地上に向けてケー
ブルを垂らし、それをガイドとして利用して、宇宙との間を昇降するエレベーター型宇宙船のこと。

 バランスが取れるように、静止衛星から地球と反対方向の宇宙にも向けてケーブルを伸ばすため、
その総延長は月までの距離の約4分の1にも達する。ケーブルは、静止衛星と共に宙に浮いた状態となるので、よじ登っても落ちてこない。地球の重力を脱出する燃料がいらないので、宇宙旅行のコストが約100分の1になると見込まれている。総建設費は、約1兆円の予定。

 SF作家の故アーサー・C・クラークが小説「楽園の泉」で紹介して有名になったが、実現は不可能に近いと考えられてきました。どんな素材でもその重さに耐えきれず、ケーブルが途中で切れてしまうからです。
計算上は、鋼鉄の約180倍もの強度が必要。だが、日本宇宙エレベーター協会会長で、IT会社社長の大野修一さん(40)によれば、軽くて強いカーボンナノチューブが開発され、必要強度の約4分の1の強さの繊維がすでに造られているという。

 他の利用方法も海外旅行感覚で、誰でも宇宙にいけるようになる。放射性廃棄物の太陽への投棄や、太陽光発電衛星の設置などいろいろな利用案も出されています。
ゴム

信州大工学部の遠藤守信教授らの研究開発グループは29日、微細な筒状の炭素物質カーボンナノチューブ(CNT)を使い、「世界最強のゴム」の開発に成功したと発表した。石油掘削技術に応用すれば、石油の採掘量を大幅に増やすことが可能になるという。近く国際専門学術誌に掲載する。

遠藤教授と地元企業、米国の石油調査掘削会社シュルンベルジェ社などのグループが、石油掘削用の金属パイプの接ぎ目を密封するゴムを研究。従来の素材であるフッ素ゴムに、CNTを加えて試験したところ、260度の高温、240メガパスカル(海底2万4000メートルに相当)の圧力に耐えた。

従来品は175度、140メガパスカル(同1万4000メートル)が限界で、これがより深い掘削をするうえで大きな壁だった。このゴムは地中深くの高温、高圧の過酷な条件での掘削が可能で、油田の埋蔵量のうち採取できる率は現在の35%から70%に上昇することも見込める。残り40年といわれる石油の可採年限も、80年に引き延ばすことができるという。

関連の特許を20数件申請中で、グループは2年後の商品化を目指している。

遠藤教授は、CNTがゴム内部に細胞壁のような構造を張り巡らし、強度が飛躍的に高まると説明。「ゴムを強くしながら、柔軟性や弾力性のバランスを保つのが難しかった」と振り返った。


これは何気にすごい技術ですね。
油吸い上げる際に地中に突っ込むパイプって1本でながーくって
わけにいかないので、ところどころ継ぎ目があるんだけど
その継ぎ目に使うゴムらしい。

地下に潜れば、圧力もかかるし、温度も上がるしね。
それに耐えるというのはすごい。
泡

今回は泡はすぐに割れるという常識をくつがえす,「長もちする泡」ができたという話です。


 石けんの泡は,微細な空気の泡が集まってできています。このような小さな泡は,はじけて周囲の泡と合体していくため,すぐにしぼんで,なくなってしまいます。

 アメリカ,ハーバード大学のドレッサリー博士らは,洗剤などに使われる界面活性剤を組みあわせて,1年以上も割れない微細な泡を水中につくることに成功しました。博士がつくった泡の大きさは,数百ナノメートル(ナノは10億分の1)~数十マイクロメートル(マイクロは100万分の1)ほどの大きさです。
 

走査型顕微鏡で泡を観察したところ,一つ一つの微細な泡の膜の表面に界面活性剤が自然に集まり,ハチの巣状に並んでいました。博士らによれば,このハチの巣構造が泡の収縮や膨張をおさえ,膜が割れないよう安定に保つ役割を果たしているらしい。


 博士らは,泡を「つくりおき」できるようになれば,消毒剤や食品添加物などの分野で応用できるだろう,考えているらしいです。
光るCNT

産総研の高軸比ナノ構造組織化チームは蛍光分子を製造時に混ぜるだけで、光る有機ナノチューブを作製しました。


実際に有機ナノチューブを4色に光らせることに成功しています(写真)。

分子が自己集合して形成する有機ナノチューブは薬剤を患部にのみ作用するように、薬剤を部位に運ぶドラッグデリバリーシステムへの応用が考えられていますが、この研究成果で薬剤を充填した有機ナノチューブの運搬状況を生体内で観察できる可能性があるとのこと。

これはドラッグデリバリーシステムとして生体内での安定性や生体内での挙動など、貴重な情報が得られると期待されています。




フレーレン

サッカボール状の分子のフラーレン。いろんな特性があり、かなり注目されている材料ですね。詳しい特性については他に譲るとして、今回はフラーレンの中に水素分子を効率良く閉じこめる技術の開発の話を紹介したいと思います。

最近の研究ではフラーレンの中に,分子や原子を閉じこめると,磁気共鳴映像や分子エレクトロニクスなどのさまざまな分野で応用が期待され,注目されています。これまで,フラーレンの中に分子を閉じこめる方法として,高温や高圧力といった物理的手法が試みられてきたんですが、しかしその効率は悪いというのが現状でした。


 それを京都大学の小松博士らは,化学的手法を組み合わせることで,フラーレンの中に水素分子を効率よく閉じこめることに成功しました。

まず博士らは,化学反応によりフラーレンに穴を開け、その後,高温高圧状態で水素分子1個を閉じこめ,さらに化学反応させて,穴をふさいぐという、まさに外科手術をするのと同じような手法でこの成果をあげました。
 その封入効率は,61%まで達するというかなりの効率の良い手法となっています。

この技術でまたフラーレンが注目を集めそうですね。
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