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有機化学の話
有機化学のトピックを紹介しています。
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ほうこうかんの積み重ね

超分子の分野にやるんですが、面白い研究があったので紹介したいと思います。

最高9個の積層芳香族分子を包接する錯体を、数種の単純な構成ブロックからワンステップで組み立てることができるらしいです。

芳香族分子は、イメージとしてはコインとコインを平行に積み重なるような感じで、芳香環も積み重なる傾向にあります。

今回、東京大学の吉沢道人と藤田誠が率いる日本の研究チームの仕事です。各ケージは、3種類の構成ブロックから構成される。すなわち、全部で6個の金属イオン「ヒンジ」を用いて2個の大きな芳香族「キャップ」を3本の「ピラー」配位子と結合させることにより、中央に大きなキャビティをもつ円筒状の構造体が形成される。これら3種の構成要素を、トリフェニレンやピレンといった別の芳香族化合物の存在下で混合すると、ユニークな自己集合構造体が形成される。2個の配位結合ケージが相互貫通構造を形成し、ピレン分子がそれぞれのキャップ対の間に挿入されることが、X線結晶学的方法で明らかになっている。これにより、7個の芳香族分子の集積体が包接される構造となるらしいです。

これらの錯体は興味深い電気的・光化学的特性をもつ可能性があり、ナノデバイス作製に利用できるかもしれないらしいです。
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ラジオ
なんともすごいとしかいいようがない物を紹介したいと思います。

米カリフォルニア大学がノチューブでできた極小ラジオを開発したらしいです。

アンテナ、チューナー、アンプなどの役割を1つでこなす超小型ラジオは、エネルギー効率も高く、さまざまな用途への応用が期待されています。

髪の毛の1万分の1の細さとされるカーボンナノチューブで作られたラジオで、バッテリーとイヤフォンさえあれば、好きなラジオ局に周波数を合わせることができるという。

携帯電話から極小端末まで、さまざまな用途に利用できる上、極めてエネルギー効率が高いため、小型電子回路との統合も容易とみていて、また、血管内に送り込んで利用する無線端末など、まったく新しい用途に発展する可能性もあるらしいです。

ロマンを感じさせるものが次から次へ開発されますね
pinset_convert_20080730150601.jpg

これは、分子でできたピンセットです。JST(理事長 沖村憲樹)による仕事です。
 大きさが10億分の1メートル(1ナノメートル)ながら、機械のような動作をする分子機械と呼ばれ、ナノテクノロジーの究極の目標として注目を集めています。

この原理ですが、光によりシス体、トランス体と変化させることができるアゾベンゼンを組み込んで、はさむ部品として使っています。

軸回転運動を行なうフェロセン、塩基性分子をつかまえることのできる亜鉛ポルフィリンという3種類の部品を組み合わせることで、光により駆動する分子ピンセットを開発されています。

分子ロボット開発への大きな一歩と言える成果です。

 Mechanical twisting of a guest by a synthetic molecular machine
(合成分子機械によりゲスト分子を機械的にねじる)より
黒い物質
米レンセラー工科大とライス大の研究チームが、「当たった光の99.9%以上を吸収する」という「世の中で最も暗い物質」をつくったらしい。

「暗い物質」は、太陽光を電気や熱などに変換する装置や赤外線センサーの性能を上げるのに役立つとされ、より効率よく光エネルギーを吸収する「暗い物質」が追求されてきた。黒のペンキでも反射率は5~10%もあり、これまでに発見された最も暗い物質であるニッケル・リン合金の膜蒸着も、全反射率 0.16~0.18%に留まっていた。


今回レンセラー工科大学のシャウ・イー・リン教授のチームでは、暗い物質を作るため、基板の上に微細な炭素の筒(カーボンナノチューブ)を成長させ、屈折率をきわめて低くし、適度な表面のランダムネスを実現することで反射率を低く抑えたという。全反射率はわずか0.045%。反射される光が3分の1になったことで「これまでより3倍暗い物質」ができたとしている。
サクランは、吸水高分子であるヒアルロン酸の5倍の吸水力があり、わずか1gで5~6㍑もの水を吸収する能力を有しているそうです。化粧水への応用が考えられています。

化粧水に使えば、皮膚の表面で水のベールを作り、皮膚内の水分の蒸発を防ぐことができるだろうと言われています。早速、熊本市の環境べンチャー企業が「サクラン」を使用した化粧品原料の開発を進めているそうですよ。


研究チームでは、新しいこの高分子はスイゼンジノリの主成分を、金子達雄准教授らは「サクラン」と名付けたんだそうです。このサクランはヒアルロン酸と同じ糖の分子が鎖のように連結した多糖類で、分子間の鎖の長さが約10ルーブルと、これまで知られた多糖類の中で最も長いのが特徴で、長い鎖で水の分子を抱え込んで高い吸水力を持つと考えられています。

大量合成できるかが今後のポイントになってくるでしょうね。。。

パリトキシン

この複雑な構造の分子をご存知でしょうか。これは、サンゴ礁の毒であるパリトキシンという物質です。

サンゴ礁に生息する無毒の魚が突然に毒化し、集団食中毒を起こすことがあるんですが、これは食物連鎖で、このパリトキシンが蓄積されることが原因ということがわかりました。このパリトキシンは毒性はフグ毒の20倍と非常に強く、非たんぱく質性の毒としては最強のもののひとつです。

1971年にハワイ大学の研究者によりスナギンチャクから発見されたが、そのスナギンチャクの住む入り江には、サメの歯を背中に持つ男を殺したために海水が毒を持つようになったという伝説があったといわれています。如何にこの化合物が毒性が強いかがわかると思います。

この構造を立体構造まで決定したのは平田、上村という日本人です。

さらにこのとんでもない化合物の合成をやってのけたのが、ハーバード大学の岸というこれまた日本人です。興味のある方は合成法など調べてみると面白いし、勉強にもなると思いますよ。
キノコ

キノコには不思議なもので、構造が違ういろいろな毒があるのが知られています。
代表的なものはベニテングタケにはムスカリン、イボテン酸という神経毒が含まれています。

キノコの毒は神経毒が多い。これは生体はこれらの毒素を神経伝達物質に似ていて、それと
間違えるために神経に異常が出るからです。

見た目はすごく美しいキノコのタマゴテングタケはアマニチンという巨大な構造をとっている
物質を持っています。このキノコは見た目とは裏腹に強力な毒性をもっていて、数mgで
致死にいたるといわれています。
アンドロステノン

この化合物が何か知ってるでしょうか。

実はヒトフェロモンとして可能性があるのではないかといわれてる化合物でアンドロステノンといわれるものです。現代人にフェロモンが存在するかは定かではありませんが、昆虫をはじめ、ほかの哺乳類からも見つかっていることを考えれば、あってもまったくおかしくありませんよね。

ヒトの場合は体臭の素として汗に含まれている可能性が高いといわれています。人によって異なるが、不快な、甘い、尿のような、あるいは森林のようなにおいを持つとされ、花のような良いにおいというヒトさえいます。成人男性の 60%、成人女性の 40% はアンドロステノンのにおいを感じることができませんが、初めてかいだ時に感じなかった場合でも繰り返し被曝することによって感じるようになることもあるとされてます。

もし興味がおありでしたら、合成して研究されてみてはいかがですか。バラ色の人生が待っているかもしれませんよw
haouamine.gif


今回は全合成を紹介したいとおもいます。haouamine A はスペイン南岸産のホヤから単離された海洋アルカロイドです。この天然物はヒトのガン細胞に特異的また強力に細胞毒性を示すことが知られています。Haouamine はビアリールの大環状を含む構造で、注目すべきは芳香環に歪があることです。

この興味深い分子の初の合成が 2007 年に バラン らによって達成されました。

この歪があるベンゼン環は分子内 [4+2] 環化反応と続く脱炭酸反応によって上手く構築されています。

この合成を達成したバランとは、有機化学の世界ではすごく有名で、26歳という若さでスクリップスの助教授に就任したキレ者だそうです。18歳で最高の権威を誇る化学誌・JACSに第一著者の論文を執筆し、いくつもの芸術的な全合成を達成しています。

全合成の意義については賛否両論あると思いますが、こういった芸術的な合成をみると、学問ではなく芸術に分類してもいいぐらいと思えるような内容です。


ゴキブリのフェロモン


これらを見て何なのかわかるでしょうか。実はこれはゴキブリのフェロモンなんですw

まずフェロモンって一体何って方もおられると思うので説明したいと思います。

昆虫ではフェロモンという物質を放出してオスを引き寄せたりしています。ゴキブリの場合は上の物質になります。相手に届かなければ意味がありませんから、蒸発しやすい物となっています。

フェロモンの効果は強烈で、カイコガの場合なら1グラムの100億分の1もあれば匂いを嗅ぎつけるのに十分といわれます。メスがひとたびフェロモンを放出すれば、数km先からでもかぎつけてオスが集まってくるというなんともすさまじい威力です。

逆に微量しか必要ないので、研究する方にとっては必要量を集めるだけでもすごく大変な作業になります。

このゴキブリのフェロモンであるペリプラノンBを最初に発見した人は、
ゴキブリ50万匹をまとめてすりつぶして水蒸気蒸留にかけるという壮絶な実験を行なったあげく、
得られたのは1ミリグラムに満たなかったといいます。この執念は研究者の鑑ですね。

Tetrahedron, 46, 8083-8092 (1990)この論文に合成について書かれていたので、研究の合間などに合成されて、その威力を確かめられてはいかがですか。



depolymerize.gif


山口大学大学院の上村教授らは、プラスチックを簡単に分解する方法を開発したそうです。彼らの論文によると、6-ナイロンをイオン性液体中で300℃に加熱するだけで、カプロラクタムに分解し、収率85% で得られるそうです。

実はカプロラクタムとはナイロン6の原料です。この成果の価値は簡単に原料に戻すことで、再利用が可能で、環境にやさしいというところにあると思います。

ナイロン6は、繊維あるいは樹脂として、衣料、自動車・電気部品、食品包装用フィルムなど、その用途は多岐にわたっており、その需要は、今後、エンジニアリングプラスチック用を中心に樹脂分野の伸びが期待されています

引用文献:Org. Lett.2007, 9, 2533.
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